近年、児童・生徒の平面に対する感覚や表現力が高まってきている反面、立体に対する感覚や表現力が弱くなってきているように感じます。立体表現の学習でしか育むことができない資質や能力を身に付けさせることは重要だと考えます。
また、図画工作科・美術科の学習指導要領では、児童・生徒の感覚や感じ方などを一層重視することを明確にするために「感性」という文言が目標に加えられています。「感性」は、何かを体験したり学んだりしたらすぐに身に付くというものではなく、多くの経験や学習のときどきに、行為や環境を含めて感じたことの積み重ねによって徐々に育まれていくことであると考えます。
そこで、立体表現に使う材料の中で扱いやすく奥が深い材料である「粘土」を表現材料として、立体表現の学習の充実を図りたいと考えました。
本調査研究では、学習指導要領の目標を達成するために、図画工作科・美術科における「立体」の学習指導を小・中学校共通の課題として、効果的な学習指導の在り方を研究することを目的にしています。
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